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    量子計算と量子情報

    量子ビット

    今日のコンピュータでは、情報の基本単位は 0 または 1 のいずれかを取るビットです。同様に、量子計算における情報の基本単位は 量子ビット、すなわち キュービット(qubit) です。

    古典ビットとは対照的に、量子ビットは次の形の状態を取ることができます。

    ここで と は 振幅 と呼ばれ、次を満たします。

    値 または のいずれかしか取らない古典ビットとは対照的に、量子ビットはその中間の、いわゆる 重ね合わせ 状態を取ることができます。しかし、この状態を量子ビットから直接読み取ることはできません。量子ビットについての情報を得るには測定を行う必要があり、測定は重ね合わせを破壊します。量子ビットを測定すると、状態 が確率 で、状態 が確率 で観測されます。

    量子ビットの状態は、複素数を成分とする 2 次元ベクトルとみなされます。いわゆる 状態ベクトル は次のとおりです。

    これは、2 次元の標準基底ベクトルの線形結合として表すことができます。

    記法 や は ディラック または ブラケット 記法と呼ばれます(「bracket(括弧)」に由来します。ブラ: 、ケット: )。 のとき、 となります。すなわち複素共役の行ベクトルです。

    量子ビットの図形的表現

    量子ビットを図で表すには、素朴に考えると 4 つの次元が必要です。というのも と は 2 つの複素数であり、それぞれが実部と虚部を持つからです。しかし、 と が実数であると仮定すれば、量子ビットは次のように表すことができます1

    x 軸に の値を、y 軸に の値を取ります。 であるため、量子ビットは常に点線の円周上に正確に位置します。

    複素振幅を持つ量子ビット、すなわち の場合でも、いわゆる ブロッホ球 を用いれば、3 次元だけで表現することができます。

    変形を通じて、前節の量子ビットの式は次の形に書き換えることができます。

    ここで かつ です。

    と があれば、ブロッホ球上の回転を完全に記述できます。ここで は量子ビットの (相対)位相 とも呼ばれます。量子ビットが取り得る状態は、ちょうどブロッホ球の表面によって表されます2

    脚注

    Footnotes

    1. Aaronson, Scott. "Introduction to quantum information science II lecture notes." (2022). Figure 3.1 ↩

    2. これを具体的に確認するには、次のページをご覧ください: https://www.st-andrews.ac.uk/physics/quvis/simulations_html5/sims/blochsphere/blochsphere.html。 ↩

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